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リンス、コンディショナー、トリートメント

いずれもシャンプーのあとに使って、髪の状態を整えるものですが、違いがあります。

◇リンス、コンディショナー
シャンプーの後、髪の表面に皮膜をつくり、すべりをよくするものです。髪の傷みを補修する効果のあるものもあります。

リンスには「すすぐ」と言う意味があり、静電気防止、髪の表面を保護します。
コンディショナーは「調節する」と言う意味で、その名のとおり髪のコンディションを整えるものです。リンスよりのものとトリートメントよりのものがあります。


◇リンスの仕組み
石鹸やシャンプーのように汚れを落とすのが目的のものには、普通アニオン(陰イオン)性界面活性剤が用いられています。
リンスにはカチオン(陽イオン)性のものが用いられています。
陽イオンには電子が余分にあり、陰イオンにはそれが不足している状態です。だから、2つが出会うとくっつくことになります。

髪は水中ではマイナスに帯電しているので、同じマイナス(陰)イオンのシャンプーで汚れを落としただけでは、毛髪が絡み合ってパサついたりして痛みやすくなります。
それを防ぐには、陽イオン系の界面活性剤が必要で、陽イオンの界面活性剤を用いたリンスが毛髪を中和させる役目を果たしています。
カチオン性界面活性剤の方が髪に付着しやすいので、界面活性剤の親油基と、毛髪をしっとりやサラサラさせるための高級アルコールやエステル油などの油剤等を混ぜておくと、一緒に髪に付着して、しっとりしなやかになるというわけです。


◇リンスインシャンプーとシャンプーインリンス
リンス・イン・シャンプーには、シャンプーとリンスの働きを持つ分子の大きさを互いに変えることで、イオンの働きが起こるまでの時間差を生み出す、などの方法が用いられてます。

シャンプーの役割をする陰イオンを持つ分子を直径1ミリの10万分の1~100万分の1という小さい形(ミセル)にします。
そして、リンスの役割をもつ分子を、陽イオンを帯びた界面活性剤を幾つも重ねたポリマー(重合体)にします。ポリマ-の大きさはミセルの1000倍から1万倍になります。
まず小回りのきくミセルが毛髪の油分を落とし、汚れの落ちた毛髪は陰イオンを帯びることになります。次にその部分に大きくなったリンスの油の粒がつく、という仕掛けです。

または特定のアニオン(陰イオン)と特定のカチオン(陽イオン)の配合を工夫することで、シャンプーとリンスが結合しない安定状態を保つことを可能にしています。

シャンプー・イン・リンスは、元々少しなら汚れを落とす働きがあるリンスの界面活性剤の洗浄力を強めたり、リンスに含まれる油分に水に溶けやすい成分を加えることによってシャンプー効果を高めているだけなので、両者は原理が異なります。

リンス・イン・シャンプー等はあくまでも朝シャンなど、時間短縮の発想から生まれたお手軽品ですから、できればシャンプーとリンスは別々に使用したほうが効果的なようです。


◇酸性リンス
石鹸シャンプーに対する酸性リンスはまた仕組みが異なります。
合成シャンプーは中性ですが、石鹸シャンプーはアルカリ性です。毛髪は弱酸性ですので、アルカリ性になった状態を放置しておくと洗髪後にキューティクルが開いてしまい、髪が傷むことになります。そのため弱酸性のクエン酸などの物質でリンスを行い、液性を中和するのです。


◇トリートメント
「処置する」という意味があります。リンスは髪の内部へはほとんど浸透しませんが、トリートメント髪の表面から浸透し髪の状態を内側から整えるものです。浸透させるために放置時間をとったり、ものによっては加温したり、使用方法もリンスとは異なってきます。
とくに髪の傷みが気になる場合に使用します。


◇まとめ
とはいえこれらの定義については、メーカー間で明確な取り決めがあるわけではありません。リンスとコンディショナーを同一のものとしているメーカーもあります。

一般的にシャンプーとリンス・コンディショナーはペアで使用することを想定してpH値が設定されています。また、ブランドが異なると香りも違うため、組み合わせによっては好ましくない香りになってしまう場合があります。同じラインのものを使うほうが好ましいといえます。

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